エクアドル出張

エクアドル、コロンビア、ベネズエラの三つ巴の外交断絶にニカラグアも加わって熱を帯びていたところに、ドミニカ共和国で開催された米州機構の会議で仲直りしたようです。基本的にコロンビアが自国の非を認めたのですが、同時にエクアドル、ベネズエラもコロンビアのゲリラ組織FARCに対する支援を行っていたことが明るみなる可能性があったため、どこかでこの辺を潮時にしようという力が働いたのかもしれません。いずれにせよ、両国は対米姿勢において外交方針に相違はあるものの、コロンビアとして領土を侵食しようという意図もなかったところ、戦争をしなければならないような激しい国益の対立はないので、コロンビアが非を認めたということで鞘を納めることができたのだと思います。おっかけで仲直りに加わったニカラグアの様子が若干間抜けな気がされるのは已むを得ないことだと思います。

そんなただなか、エクアドルの首都キトに出張で行ってきました。キトは標高約2,800mの高地にあり、南北約20kmに細長く伸びています。朝夕には深い霧がたちこめ、市の北に位置する国際空港はたびたび飛行機の着陸を悩ませます。8年ぶりに降り立ったキト市は前回とは大分雰囲気が異なって感じられました。8年の仕事の経験が自分を場慣れさせたのか、違和感なく仕事に取り組めました。また8年の歳月は街をいろいろと変えていました。

まず、マリスカル・スクレ国際空港。きれいに整備されており、前回はタラップでいったん駐機場に降りて、歩いて空港ターミナルに入っていたのが、今回はちゃんとボーディング・ブリッジがありました。入管手続もスムーズで流れるようにホテルにチェックインできたですこぶる機嫌良くしていたら、入管の際気になっていたパスポートデータのシステムへの手入力が帰国の際のトラブルにつながるのでした(トラブル、というほどでもないのですが・・・)。通常入管・出国手続の際、パスポートの顔写真面の下部にあるデータを読み取る機械が設置されており、これにパスポートを通すのが見慣れた光景なのですが、キトは手入力。出国のときも同様で、外国人が多いと、入管担当者も見慣れない名前を確認しながら入力するので非常に時間がかかるわけです。出国は、空港入り口ですぐに旅行者と見送りの人で分けられるのでゆっくりと見送りをする環境にはなく、チェックインを済ませた後、空港税(約40ドル。高い!)を支払って出国コントロールに進みます。そこで動かない長蛇の列。効率的に仕事をしようとしているのですが、上記の手入力がボトルネックになって搭乗締切時刻が迫る旅行客のイライラを高めるわけです。結局、私の便の客はみんな乗り遅れそうになったので、ギリギリになって優先的に手続をしてもらえるよう列の前の方に。それでも周りがピリピリしてなかなか進まない。いろいろと事情があるのでしょうが、これはばかばかしい話でした。

話はさらにそれますが、エクアドルでびっくりしたのが意外なほどの観光客の多さです。そうです、ガラパゴスです。ガラパゴスに人生に一度行きたいと世界中から観光客がやってくるそうです。一旦キトに入るので、キトに驚くほど観光客がうろうろとしているわけです。無論、キト市自体も世界遺産で、見どころがなきにしもあらずなのですが、ペルーに負けず劣らずの観光客の賑わいだったので肝を抜かれていたのですが、なるほど、納得。しかし、ガラパゴスが観光資源としてこれほどにも威力があるとは恐れ入りました。現地の旅行会社の話では1年先まで予約で埋まっているとのことで、予約時に2週間以内に旅行代金先払いをしなければならない、という状態であるとのことです。しかも、払い込まれた予約代金については返却なし。1年後の予約代金を2週間のうちに支払わせる強気にはのけぞりそうになりました。

a0045621_2193444.jpgさて、前回8年前に来たときと比べどことなく町が近代的になっていた気がされました。今年は異常気象の大雨が毎日降っており、冠水により通行止めとなった道からの迂回車両で時に思わぬ渋滞にはまることがあったものの、ホームタウンのリマと比べて整然と交通が流れているように思われました。ひとつは、前回8年前に来たときには建設途上であった市内のバスレーン(トローリーバス)が完成し、円滑に機能していたためではないかと思っています。私のみた限り効率的な市民の足になっていました。こうした都市交通システムは町を近代的に見せる重要なポイントだと改めて実感しました。因みに私のいるリマは、キトとは大分規模が異なるので単純比較はできないものの、都市を一つにまとめる交通システムらしいものが存在しないため、色とりどりの個人バスとタクシーが雑然と走りまわっていること、タクシーにはメーターがついておらず、いちいち値段交渉をさせられることから渋滞がひどく、800万都市とは思えない移動の不便さです。

a0045621_2202515.jpg2日の滞在でしたが、ちょっと時間が空いた隙に借り上げた車の運転手が「Youka」という店を案内してくれました。ここはユカイモのパン(Pan de Yuka)とヨーグルトを食わせる店ということで、早速試してみました。Pan de Yukaは、ブラジルのポン・デ・ケージョをもう少しパッサリとした感じでしたが、モチモチして美味しかったです。

それと、知らなかったのですが、エクアドルは薔薇の輸出国で日本にも輸出しているとのこと。昼夜がちょうど半々になり、高冷地の気候も手伝って良質の薔薇が栽培可能とのこと。キトの空港から世界各地に輸出されているそうです。現在の空港が立地上霧による運航の安定性が欠けることと、こうした航空貨物の増加もあり、キトの郊外に現在新空港の建設が進められているとのことでした。

最後に、現在、エクアドルの沿岸地域では記録的な大雨により洪水被害が広がっているとのことで、地球温暖化の影響がこくこくと出てきていることを実感されます。地球温暖化による異常気象といえば、前述のガラパゴスの楽園においても大雨が続いており、生存の危機にさらされている種もあるとのことでした。今回の洪水被害は甚大で、今後の復興の進捗については見守っていく必要がありそうです。
by danpeii | 2008-03-15 12:00 | 世界見聞

マイペース、お気楽、ノン・タイムリー日記
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